政府が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大阪府など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令したことを受け、吉村洋文府知事は8日、国や近隣自治体などとの会議を“はしご”して連携強化を確認した。府内の感染者数に占める経路不明者は増加傾向にあり、大阪だけでなく他府県との広域連携を通じて押さえ込みを図りたい考えだ。
吉村知事は8日、府庁でインターネット中継された全国知事会会議に出席し、民間事業者らに休業要請した場合の損失補償などについて意見を交わした。
直後に新型コロナ対策を担う西村康稔経済再生担当相や、大阪と同様に緊急事態宣言の対象地域となった6都県の知事とのネット会議に参加し、西村氏に重症者の病床確保への支援を要請、「新型コロナ対策をやればやるほど医療機関は赤字になる」と訴えた。
午後には神戸市内へ移動すると関西広域連合の会議に出席。その後の定例記者会見では「他県との連携は大切だ。協力して新型コロナ対策をやる」と述べた。
爆発的な患者急増(オーバーシュート)までには至っていないが、大阪府の感染状況は予断を許さない。
政府が緊急事態宣言の対象地域選定にあたり重視したのは、(1)都道府県ごとの累計感染者数(2)7日間ごとに集計した感染経路不明者が倍増するまでの日数(倍加時間)(3)感染者数に占める経路不明者の割合-だ。
宣言前日の6日までに大阪府で確認された感染者数は428人で、うち半数の215人が経路不明者だ。倍加時間は短いほど感染拡大の状況が深刻といえ、国の専門家によると大阪府の倍加時間は東京都(5日)に迫る6・6日という。
吉村知事は8日の会見で「市中で感染が広がっている。見えないクラスター(感染者集団)があると考えなくてはいけない」と危機感を示した。府の担当者は「大阪でのオーバーシュートの可能性を否定できないと政府が判断したと受け止めている」と話した。
吉村知事は8日、府民に改めて外出自粛を要請するとともに、府の勤務態勢や職員の配置を見直す考えを示した。テレワークを推進し休止可能な業務を担う職員を新型コロナ対策に当たらせるといい「府庁をあげて対策に臨む」と話した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース